第19期あきない塾 第2回~社員は人間だった~

社員は人間だった~孤軍奮闘の経営から、共生・共育の経営へ

【開催日時】2021年8月31日(火)
【場所】ZOOM開催
【報告者】有限会社京美容室代表取締役/新潟県中小企業家同友会代表理事 関原英里子氏
【事業概要】美容室・エステ・ブライダル・ネイル・マツエク・メイクなどトータルビューティーで女性の願いをかなえる。

有限会社京美容室とは?

お母様だけでなく親戚も皆が美容業に携わっていた中で、美容師という選択肢しかなく、ご自身も美容師になりました。

1993年に席数2席の美容室を開業、そこから現在はスタッフ20名で3店舗をかまえる会社へと大きく成長しました。
企業目的を「一生働ける場所づくり」とし、いろいろな働き方が選べるようにし、3つの店はそれぞれ店舗ごとにコンセプトを掲げ、多くの人が利用できる場としました。

しかしそこに至るまで、ご自身のいくつもの気づきから、さまざまな変化を遂げてきました。

美容師の現状

有限会社京美容室に限らず、一般的に美容師の業界は、現状は過酷です。営業終了後に講習会や勉強会を行っているため、労働時間が長く、定休日は講習会。

さらに土日の休みはなく、休憩時間というものがほとんど存在していないの当たり前の世界。また、仕事で使うコームやドライヤーなどの道具も全て自費での購入が普通でした。
(弊社ではハサミは自費購入ですが、会社で立替えはします)

そしてこれらが美容業では常識でもあり、決して有限会社京美容室だけでのことではありません。

経営指針を創る会で気づき

他の業界では当たり前となっている、労働時間や残業手当、社会保険の加入などが、同友会に入会し、経営指針を創る会に参加すると、できていないのはおかしいことなのだ、実感。

さらに今後、会社の在り方を考えた時に、働きやすい職場であることが重要なのだと実感。

働き方改革へ

従業員のほとんどがママさんだったこともあり、ママさんが働きやすいを前提に、改革を実施。

残業時間をゼロにし、今までは自分の休日を削って参加していた講習会も営業時間内に。
さらにはスタッフとのコミュニケーションだけでなくスタッフ間のコミュニケーションも必須として、いろいろな手法で実施。

その結果、今までは考えられなかった「出産後も働き続けられる」職場となり、育児休暇も取得できるまでに。

コロナ禍に突入

紆余曲折を経て、かつてないドン底を経験するも、そこから這い上がり、次回の決算で賞与と給与アップをするはずがコロナ。

そこでコロナ対策として非常事態マニュアルを作成。安全対策や行動マニュアルも作成・
これらを必要とする別業種や行政にも配布。
また経営の施策としてお客様にチケットも発行し、切り抜けました。

この時に、大変な時は会社も個人も助けてください!を言えるようにしよう。
それは日々の信頼関係がどうなっているのかがわかると気づきました。

京美容室のSDGs

有限会社京美容室ではSDGsにも取組んでいます。
17項目全てをそれぞれ自社に合わせた項目を作り、掲げているだけでなく、各家庭にも持ち帰り、各人ができることをピックアップしています。

参加者の声

~印象にのこったこと~

・経営指針を作成してやり続ける。発表、検証。PDCAを実践していることが大切だということを気づかせていただきました。

・誰一人、辞めさせない。と言う言葉が刺さりました

・報告者、関原さんの施策のすばらしさだけでなく、私的な部分も含めて人としての魅力。SDGsの取り組みが身近で分かりやすく出来ている点。

自社で実践しようと思った内容

・全員チャレンジ目標、SDGs目標をしたいです

・社労士を社員の相談窓口にすること。すぐに社労士に相談してみようと思います。

・SDGsの17の目標について今までは、弊社に関係ありそうな項目だけに注視していましたが、関原さんの、ご自分の会社の等身大で全ての項目について考え、表明されているところに感動し、弊社でも何が出来るかを全項目、自社の目線で再度考えてみたいと思いました。

全体の感想

・子育てしながらの会社経営、その反省も踏まえながら、社員に同じ轍を踏ませないという愛情深い経営に、やはり経営は愛だなと思いました。

・とても学びの多い報告でした。自社のSDGsを考えていきます!

・とても勉強になりました。特に自身が決していい母親として接することができなかった、として同じような想いを社員にはさせたくない、という強い気持ちにハッとさせられました。