女性部 7月例会

【開催日】2023年7月10日
【場所】和洋女子大学ビジネスキャリアアカデミー会議室
【報告者】橋本久美子氏 (株式会社吉村 代表取締役)

東京都女性活躍推進大賞を受賞した(株)吉村の取組と申請内容の実際

東京都女性活躍推進大賞までの3段階~甘やかし 主体性 マネジメント~

平成4年度東京都女性活躍推進大賞の大賞を受賞した(株)吉村の橋本久美子代表取締役から、「東京都女性活躍推進大賞受賞の成果と今後の展望」について、ご講演をいただきました。

(株)吉村は日本茶を主とする食品包装資材の企画・製造・販売を行っています。18年に渡る女性社員への施策を3つの段階でお話しくださいました。

出産退職が常識の会社の時代

同友会でワークライフバランスという言葉を知り、社内でES調査をしたところ、従業員の不満がたくさん書かれ、この結果をそのままにしてはいけないと対応をしたことが奏功しました。

従業員が自ら発信して、自ら制度を作ることを推進し、MO制度、つわり休暇が出来ました。

与えられ、文句をいうところからの脱却を図り、会社で課題があれば従業員が対策を起案する「ノーベル起案」、従業員自らがやる気、成果を示す「Let’s5!!YOU4」、一人にしかできない仕事をなくすために、くじで当たったら長期に休める「ドリームジャンボ休暇」、末子が小学校3年まで時短勤務を可能にすること等を始めました。

制度があたりまえの時代

ところが社内制度が整った後に入社した従業員にとっては、制度があるのが当然となり、時短の間にフルタイムで働いている従業員への感謝がなくなり、社内がギクシャクし始めました。

そこで感謝を言葉で用紙に書いて貼りだす「お助けありがとう」や他者の行動、影響、気持ちに対して評価する「イチオシ表彰」を始めました。

また、「女性の社会進出と男性の家庭進出はセット」と従業員に言われ、母親、父親はこうあるべきという既成概念をなくしたところ、新しいお菓子の販売、ブランドオーナー制度やプランニング手当が始まりました。また、ノーベル起案からコロナ禍前にリモートワークも始まっていました。

女性管理職をどう増やすか

しかし、女性の役割が固定されていて、女性管理職が増えない問題がありました。

そこで、補助作業がメインの各営業所の営業事務及びデザイナーについて、横断的な部を創設し、自ら目標を立て成果をあげる組織にしました。

また、経験の量は質を高めるとの信念から、経営会議参加枠の約半数を「21世紀枠」と位置付け、女性や若手職員を積極登用しました。

結果、マネジメントは男性、補佐は女性という風土や無意識の男女別役割分担意識の変革を実現し、女性管理職が2017年は5人から2023年には13人へと増加しました。

東京都女性活躍推進大賞の申請内容の実際

橋本さんの目利き力は、東京都女性活躍推進大賞の申請書を入社して間もない女性従業員に任せたところからも伺えます。

申請書の内容の大筋を橋本さんが書き、細かい数字などの根拠の記載を従業員に任せました。

従業員も任せられることで色々調べ、新たな目線で気づいたことを伝えるなどの相乗効果がありました。

また、同友会の仲間のために実際に提出した申請書の内容を開示くださいました。参加した方々もどのような内容を書けばいいのか、どれくらい書く必要があるのか等が分かり、とても参考になりました。


さらに、橋本さんと従業員さんが書く際にどのような苦労があったのかを赤裸々に教えてくださり、この場でしか聞けない貴重な情報を得ることができました。

聴講した感想

九州からわざわざ会場に聴講に来られた方もおり、感想を伺ったところ、業種は異なりますが、(株)吉村様の取り組みが大変参考になりましたと感銘を受けておられました。

また、女性の従業員が多い企業も複数参加をされていて、取組内容がとても参考になったので、ぜひ自社でも応用して大賞にも応募したいという方や、応募締切の今月は繁忙期なので来年は応募しますとの話も出ました。

同友会の素晴らしいところは、橋本さんのように仲間のために自社の取り組みを惜しげもなく紹介くださるところや、聴講された各社も聞くだけに終わらず、実際に自社で活用しようと前向きなところです。

本事業は東京都もかなり宣伝をしてくださるので、ぜひ活用いただければと思います。

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