自分の知らない自分の強みに気づける場所。それが同友会。

橋本 久美子(品川支部)

株式会社吉村 代表取締役社長
https://www.yoshimura-pack.co.jp/
   
    

御社についてお聞かせください

 日本茶を主とする食品包装資材の企画製造販売をしている会社を経営しています。2005年、46歳で社長になりました。男女雇用均等法前の世代ですから、「婿をとれ」と言われて育った二人姉妹の長女です。好きになった人がハシモトで、元夫は婿にはならず、出産退職して専業主婦を10年やりました。
 日本茶が、コーヒーやペットボトルの台頭によって「日常茶飯」の地位を追われ、10年で売上が8億円下がったところで、亡き父から「久美子は明日のメシ担当」とバトンを渡されました。(因みに義理の弟は「今日のメシ担当」で副社長。仲良しです)

   

同友会に入会したきっかけは?

 同友会は、文化堂の後藤せき子さんと、たまたま地元の法人会の賀詞交歓会でお会いしたことがきっかけで、社長就任後すぐに入会しました。「格安で経営理念が作れそうだ」くらいの軽い気持ちです。

    

同友会の魅力をお聞かせください

 同友会のすごいところは、みなさん、実践する経営者として、ナマの体験をガンガン自己開示されるところだと思います。私、「一例会・一アクション」と決めていて、絶対例会に出たら、何か一つパクる。行動や仕掛けを変えます。だから、一番心に残った例会とか、決められないんだなあ!!
 それにね。例会での報告と同じくらい、聞いた後のグループ討論に気づきがあります。「アウトプットはインプットを加速する」という感じで、自分で心の中の言語化されていない思いを口に出すことで、自分自身が気づく、という経験をたくさんしてきました。

    
 忘れられないのは、どなたからいただいた言葉か不明なんですが、私が「経営理念じゃメシは食えないですよね」と言ったときに、「橋本さん、サンタクロースの理念てなんだと思う?」と質問されたことです。
私:えっ、サンタクロースですか、子どもに夢を与えるとかですかね?
Aさん:そうだよね? その理念がなかったら、サンタクロースはむちゃくちゃキツイ深夜宅配便だよね。納期はめっちゃキビシイし、空調の効かないトナカイに乗ってるし、汚い煙突にもぐってコソコソプレゼント置いて逃げかえってくるんだよ、ありがとうも言われないし。もしも「子どもに夢を与える」っていう理念がなかったら、深夜勤務明けのサンタクロースは、喫煙室でタバコ吸いながら「こんな給料じゃやってらんねーよ!」って文句言っているはず。でも私たちは、サンタさんは「あの子、喜んでくれたかな?」「あの場所に置いたけど、あの子、気づいてくれたかな?」って思っていると想像するじゃない? それは、つまるところ、理念があるかないかっていう違いなんじゃないの?
ガーーーーーン。そういうことかー。って感じで、腹に落ちました。今では、まるで自分が考えたみたいに、拡散しているエピソードです。
ほんと、同友会に出会わなかったら、経営を楽しいとは思えなかったような気がします。行き詰ったとき、迷ったとき、損得ぬきで自分のもやもやを話せる場があるということ。そして、そこには「景気が悪い」「政治が悪い」「世間が悪い」みたいな他責ではなく、変化する世の中でどんな風にピンチをチャンスに変えていくか、「どうしたいか」「どう変えたいか」「どうなりたいか」というエネルギーがあふれているのです。そして、エネルギーは連鎖する。相乗効果を生む。ワクワクを連れてくる。
きっと自分の知らない自分の強みに気づける場所。それが同友会だと思っています。